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37歳で1人目を出産、41歳で妊娠中の転職も経験。3児の母の「育児とキャリア」両立のコツ|わたしの育休復帰ストーリー vol.1 佐々木直美さん

2022年10月1日に産後パパ育休が施行され、男女問わず育休を取得する流れが加速しています。一方で、ワーキングペアレンツの転職支援に特化した『withwork』には、育休明けのキャリアとライフについて不安を感じる声も多く寄せられています。

今回は、そんな不安を少しでも解消したく開催した育休座談会の登壇者・佐々木直美さんの育休ストーリーをご紹介します!

現在、withworkを運営するXTalent株式会社のマーケティングチームでご活躍中の佐々木さん。36歳で結婚し、37歳で第1子、39歳で第2子、2022年41歳で第3子を出産。3人のお子様をそれぞれ異なる企業在籍時に出産、育休取得したほか、フルタイムでの復職もされています。経験豊富な佐々木さんに、スムーズな復職のコツや転職を意識したタイミングなどを伺いました。

長男くんと佐々木さん

■プロフィール
佐々木 直美さん(XTalent株式会社 デジタルマーケター

大手SIerのシステムエンジニアとしてキャリアをスタート。人間の行動・心理に関する興味からインターネット広告代理店に転職し、以降一貫してデジタルマーケティングを軸とした業務に従事。友人との起業、エムスリーキャリア、アフラックを経て、転職活動中に出会ったwithworkを運営するXTalentへ妊娠中に入社。2022年10月に第3子を出産し、2023年4月に復職。3児すべて別の企業で出産・育休取得、高齢出産の経験あり。

ー第1子から第3子まで、育休中の過ごし方は?


第1子・第2子の育休明け2年以内に転職、さらに第3子を妊娠中に転職と、ライフを大事にしつつキャリアもしっかりと積まれてきた佐々木さん。育休中もスキルアップなどにも意欲的に取り組まれたのでは、と思いきや…?

「確かに、第1子の育休前は『資格とか取っちゃうぞ!』と意気込んでいたのですが、その夢は早々に砕け散りました。第1子がとにかく泣いてばかりで寝ない赤ちゃんで、昼夜問わず延々と抱っこしながら私も一緒に泣いていました(苦笑)。なので結局、育休中に自己啓発的なことは何もできませんでした。」

この時の経験から、第2子以降はマインドがガラッと変わったと回想します。

「2人目以降は割り切って、自分に過大な期待をせず『一人の命の面倒を見ているだけで合格点としよう!』ということにしました。」

第1子出産時の佐々木さんのように、リスキリングに燃える方は多いです。現実は難しいのでしょうか。

「実際子どもが生まれてみてから、自分の心に余裕があって、やりたいと思ったらやろうぐらいの感じがいいかもしれません。私も第3子の育休中は、3人の子どもたちの世話と最低限の家事をこなすほかは、なるべくのんびり過ごしたくなってしまい…そういう自分を否定せず受け入れることにしました。出産前に張り切って計画したばかりに、できなかった自分を責めることのないようにしていただきたいです。」

もちろん余力があって、「勉強が気分転換になる」という方は、ぜひチャレンジしたいリスキリングですが、環境の変化による自分自身の体と心の変化も受け入れることも大事です。

ー スムーズな復職を叶えたコツは?


4月に3回目の育休復帰をされた佐々木さん。復職のプロと言っても過言ではありません。スムーズに復職をするには、“同僚とのコミュニケーションが大事”だと話します。

「育休中は、定期的に上長や仲の良い同僚、他部署の子育て中の社員とコンタクトを取って、社内の様子を聞いていました。また、自分の状況をなるべく率直にお話しして、復職にあたり不安に思っていることを知っていただくようにしていました。」

また復職後、仕事と家庭を両立させるために、このような取り組みも。

「両立のために使えるサービスや便利グッズを、育休期間に試しておくこともオススメです。例えば、ミールキットやネットスーパーなどの宅配サービス、調理家電、お掃除ロボット、病児OKのシッターさんを利用してみるのも良いと思います。復職後は自分に合うものをじっくり比較検討する時間が取りづらくなるかもしれないので。
初めこそ、家事育児を『手抜き』しているようで後ろめたい、という思いもありましたが、必ずしも自分がしなくてもいいことは『アウトソーシング』することで、心にゆとりが生まれて家族にもちょっぴり優しくなれるならそのほうがいいな、と。自分が楽になることに罪悪感は持たなくてもいいんだ、と思えるようになりました。」

ー時短orフルタイム?復職後の働き方は?


3人のお子さんたちはいずれも0歳の4月から保育園に預け、フルタイムで復職されており、一見バリキャリ志向かと思いきや、そうでもないらしく…?

「特にフルタイムであることにこだわりはなかったのですが、結果的にフルタイムで復職しました。きっかけは上長の言葉です。最初の育休時に上長に、「やっぱり復職後はしばらく時短ですよね」と話すと、「一度時短を選択したら、そのリズムに気持ちも体も慣れてしまって、なかなかフルに戻すのは難しいと思う。もしやってみて辛くなったら時短にすればいいから、フルタイムでやってみたら?」と言われて。「そうかもしれない、やってみるか」と気軽に考えてフルタイムで戻りました。当時は100%出社で、8時に出社17時に退社という生活をしていたのですが、私にとっては通勤時間が良い切り替えタイムで苦にならなかったというのもありますね。

2回目の復職時は、コロナ禍でフルリモートになっていた、かつ所定労働時間がもともと短めの会社だったこともあり、上長に「フルタイムの方がおそらく仕事がやり易いと思うよ」と勧められて、2人育児でも通用するのか半信半疑ではありましたが、同じようにフルタイムで復職しました。

私はかなりラッキーなパターンだと思います。一旦どちらかを選択してしまったら途中で変えづらい会社も多いでしょうし、保育園のお迎え等でどうしてもフルタイムが難しい場合もあると思うので、一概には言えません。ただ、時短かフルタイムで迷いがあるのであれば、結論を出す前に会社の方に相談してみるのもアリではないでしょうか。私自身の経験から言えるのは、育休後の復帰=時短、という図式に必ずしも自分を当てはめる必要はなかった(にもかかわらず無意識のうちにそうしなければならないと思い込んでいた)ということです。」

ー復職後、パートナーと話し合ったことは?


ご自身の体力や環境なども相まって、フルタイム復帰が叶い、順風満帆に見える佐々木さんですが、第2子以降は“物理的な壁”に阻まれたと言います。

「子どもが2人になると、病気にかかる頻度も2倍かそれ以上。五月雨式に風邪をひけばその分、休まなければならない期間も増えます。パートナーとも色々試行錯誤しながら、調整していきましたね」

多くの育休取得者が感じている、パートナーとの家事育児の分担問題。佐々木家はどのように乗り越えたのでしょうか?

「パートナーは、私のやることは基本的に否定せず見守るというタイプ。転職についても「自分で決めたことなら、いいんじゃない」というくらいの反応ですが、いざという時に切り出しにくくならないように、日常会話の中で仕事についてカジュアルに話すようにはしていました。

分担に関しては、特に第1子の産後直後は、私が保活を頑張りすぎていた部分があったな、という反省がありまして…。パートナーはそこまで私に頑張って欲しいとも思ってないし、イライラしている私をおそらく不思議に感じていたと思います。彼は元々家事も育児も進んでやる人なのに、情報共有もせずに勝手に孤軍奮闘していたことを反省しました。保育園入園後は50:50か、ひょっとしたら私の方が作業的な負担は少ないかも?というくらいのバランスで家事育児を分担しています。」


ー育休明け、転職を考えたきっかけは?


「復職後に転職しよう」と、第2子の育休中に転職活動を始めたきっかけについて伺いました。

「当時、在籍していた会社は、転職直後にアンマッチを感じまして…。自分としては、やりたいことをやるために選んだ転職先のつもりだったのですが、今思えば、働く環境や待遇面の良さに惹かれるあまり、業務内容やカルチャーが自分の志向とは微妙にズレていることに目を瞑っていたんです。
働き方については本当に申し分なく、100点満点以上の『働きやすい』会社でした。でも、いくら働きやすい環境であったとしても、私は自分の意志に沿わないことをやり続けられない性分なんだなと思いました。」


改めて転職しようと考え始めた佐々木さんですが、その原動力とは…

「ちょっと子どもっぽいと思われるかもしれませんが、もっとワクワクすることをしたいな、と。勿論、出産などでライフステージに変化があったことをきっかけに転職するというのもアリだと思います。一方で私のように、独身時代と変わらず無邪気に、自分のやりたいことをやるための転職というのもあっていいのではないでしょうか。」

withworkのユーザーさんは出産を控えていたり、育児と仕事のバランスに悩み、ご登録していただくことが非常に多い中、「自分のやりたいことをやるために」転職を決意した佐々木さんにその想いを聞いてみました。

「子どもの有無にかかわらず、転職の動機は自分の自由でいいと思っています。自分の置かれた状況を加味して、働きやすい環境を選んでいく必要はありますが、働き方を優先するあまり、自分のやりたいことを我慢してしまうと苦しくなってしまうかな、と思いますね。子どもを預けてまで働くのであればなおのこと、いつでも自分がやりたいことを追求して、働くことを楽しんでいたいです。」

育休明けを含め、転職の経験も豊富な佐々木さん。ライフイベントも考慮した転職のベストタイミングを伺いました。

「コロナ禍だったり、市場の動きなどは考えなければならないですが、基本的にはやっぱり自分の気持ちが動いた時。転職には多少なりともリスクは伴いますが、転職活動自体はノーリスク。特に、転職経験のない方はハードルが高く感じるかも知れませんが、あまり構えずにチャレンジしてみていただけたらと思います。」


仕事と育児の両立は「引き算」で乗り切って


3回の育休を経験した佐々木さんが、育休明けの不安を感じる人へ一番伝えたいことを熱く語ってもらいました。

「引き算が大事ですよね。子どもが生まれたからといって自分のキャパが急に上がるわけではないのに、ついあれもこれもと自分のタスクを足していってしまうので。

これまで優等生であった人であればあるほど、育児も仕事も完璧にこなしたいと頑張ってしまいがちだと思うのですが、この先何年も150%、200%のパワーで走り続けるのはおそらく無理で、どこかでポキっと心折れてしまう時が来ると思います。

毎日栄養バランスばっちりのごはんを作れなくても、多少自宅が散らかっていようとも、自分と家族が元気に一日過ごしてすやすや眠れていれば大丈夫! 引き算上手になって一緒に乗り越えていきましょう!」 

子どもを授かるまでの人生でがむしゃらに勉強も仕事も頑張ってきた人は、育児と仕事の両立の大変さを目の前にした時「いままで何でもうまくこなしてきた自分が、なぜできないんだろう…?」とついつい責めて、さらに足し算したくなってしまうかもしれません。でも、続けていくためには時に「引き算」も必要。ぜひご自身が「もっともっと」と足そうとし過ぎていないか?を意識して、育休明けのキャリアとライフを過ごしてみてくださいね。


育休明けのキャリアとライフにお悩みの方は「withwork」へ


私たちワーキングペアレンツのためのハイクラス転職サービス「withwork」は、キャリアとライフをトレードオフにしたくないと願う皆さんへの転職支援を行っています。

子育て中でも家庭を犠牲にしない働き方をめざし、自分の理想のキャリアを描いていきたいユーザーさまに、withworkは徹底的に寄り添います。

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※本記事は3/14開催の「育休明けの不安を解消!先輩ママパパから学ぶ「育児 × キャリア」座談会」の内容を文字起こし、再編集しています。



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