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DAY1:オープニング〜withworkweek@国際女性デー カンファレンスレポート〜

はじめに

5日間のカンファレンスに際して

2022年3月7日~11日の5日間にわたってオンライン開催されたDE&I推進カンファレンス「withworkweek @国際女性デー #キャリアとライフはトレードオフじゃない 」。10のテーマで行ったセッションにおける初回3月7日のセッション内容をレポート形式でお届けします。

「なぜDE&I(Diversity,Equity & Inclusion)が必要か」
- ”人権”という観点
- ”経営の合理性”という観点

というセッション内容で、株式会社マクアケの共同創業者/取締役の坊垣佳奈氏をお招きしてお話しました。ぜひご覧ください。

▼今回のカンファレンス開催に先立って行った調査結果はこちら

withworkweek@国際女性デーは「#キャリアとライフはトレードオフじゃない」を共通メッセージに、皆で社会的な発信を行うための場として開催されました。ワーキングペアレンツ向けの転職サービス 「withwork」 を運営するXTalent株式会社が、「WorkEx-働き⽅の健康診断」を展開する株式会社Enbirthと連携して企画・開催し、25社の調査協力のもと実現しています。

事前視聴申込数は800枠を超過し、計10時間、10のトークセッション、23名の登壇者とともに紡ぐ時間となりました。セッションテーマは国際女性デーに関連の深い「ジェンダーバイアス」だけでなく、広義に「DE&I(Diversity・Equity & Inclusion)」とし、「同質性」「ボードメンバーの育休取得経験」「仕事と育児」など、法改正等に紐づくテーマも並びました。

◆イベント詳細:https://withwork-week.peatix.com/ 

それでは、セッション時のトークに沿ってレポートします。


登壇者の紹介

XTalent筒井:今日はオープニングということでマクアケの坊垣さんをお招きしています。早速トークセッションに入ってゆきましょう。坊垣さん、上原さん、河合さん、よろしくお願いいたします。

XTalent上原:XTalent代表の上原です。XTalent株式会社は、ミッションに「フェアな労働市場を作る」という言葉を掲げており、ワーキングペアレンツの転職サービス「withwork」と、女性社外取締役のマッチングサービス「withwork executive」、この2つのサービスを提供している企業です。オープニングでは、アドバイザーも務めていただいている坊垣さんにお越し頂いています。マクアケ社の環境そして今回のテーマに即した前提の整理について触れてゆきます。

マクアケ坊垣さん:マクアケの坊垣です。マクアケという会社、クラウドファンディングの仕組みではあるのですが、それを大きくアップデートした形で「アタラシイものや体験の応援購入サービス」ということを打ち出して運営をしております。

実は、8年前の創業時に男性の役員2人と私と3人で創業しているのですが、8年経って会社の規模が業務委託の方を全て含めると200人近くになってきている中で、女性の社員比率でいうと半分、管理職も実は半分なんです。すごくびっくりされるのが経営層の割合で、執行役員以上の割合も半分ぐらいになっています。なぜこれができているかというと、私が経営層に初期からジョインしていてこの8年の歴史の中で女性が働きやすい環境作りもそうですが、新しいことにチャレンジしやすい環境づくり、意思決定の場に女性がいることで様々なことをケアしてきたということが背景にあると感じています。

私自身はもともとサイバーエージェントにいて、子会社の立ち上げや経営を20代でやってきて、30歳でマクアケという会社を立ち上げ、この会社自体にはとても思い入れがあります。そして実はビジョンをすごく重要視していて、いわゆる最近ビジョン経営、パーパス経営と言われると思うのですが、会社の存在意義、社会における価値をちゃんと定義して運営をしている会社です。いわゆるやりがいのサーベイ結果もやっぱり毎回高く数値が出るのですが、その背景を下支えしているのがカルチャーかなと思います。カルチャーがしっかり土台にあって共通の意識・思想・価値観をみんなが持てていることでそれを進行させやすい、遂行しやすいということが大いにしてあるなというのを日々感じています。実はマクアケはカルチャー担当が人事以外の別部署にあるのです。社内広報も兼ねていてカルチャーの強化にも凄く力を入れています。事業が伸びること、当然それを通して世の中に価値提供していくことはとても重要である中で、それを達成するためには人のやりがいが大切。組織は人の集合体なので、それぞれがすごく満足度の高い状態で仕事ができていて、幸福度が高いと当然ながら組織はよい状態になり、それがよい仕事を生む。自分が幸せじゃないと人を幸せにできないよねという話で、幸福度の高い会社は幸福な仕事を生むし、それが世の中を幸福にするんだ、という信念をもって会社経営をさせていただいています。

XTalent上原:ありがとうございます。本日のオープニングセッションとしてまず「国際女性デーとは」という内容について、今年の国際女性デーのコンセプトにも触れさせていただきます。

国際女性デーのテーマ:「持続可能な明日に向けてジェンダー平等をいま」

1975年に制定され、その年ごとにテーマが定められています。今年は「持続可能な明日に向けてジェンダー平等をいま」という言葉がテーマになっています。コロナによるパンデミックもそうだと思うのですけれど、気候変動やそれによって起こされる自然災害などがジェンダーの不平等を加速させるということが明らかになっていて、これは日本でも実際に言えることです。

例えば震災の直後、避難所においては例えば生理用品などの物資の用意が十分に支給されていないということが実際に起きています。これは災害対策本部の9割以上が男性だったことが背景にあることが後になって分かっているのですが、意思決定層の偏りによって女性のニーズが反映されづらかったという事象の1つです。それらの解消に向けても本テーマが掲げられています。

なぜDiversity,Equity & Inclusionが必要なのか

このセッションではまず「なぜDiversity,Equity & Inclusionが必要なのか」という観点のお話をできたらなと思っています。

今回ご参加いただいている皆さんは、経営者の方、従業員で社内のDE&Iの取り組みを進めている方もしくは関心を持っている方、色んな方がいらっしゃると思います。この「なぜ」という観点に触れさせてもらうと、「人権」としての側面が強いかなと思っています。一方でこの会社組織の中でこのDE&Iを進めていく上では、やっぱり優先度を何のためにあげるのか、「経営の合理性」という観点も強調しておく必要があると思っておりますので、少し後者寄りのお話をさせていただきたいと思います。

理由は4つあると考えています。
まず1つ目は「労働人口が大幅に減ります」ということ。

日本の国策として女性活躍を進めようというのは、労働力の需要に対して働き手が大幅に不足しているから、という側面が強いですよね。一方で、子育てをしながら働く女性は世帯比率としては増えています。今回制度改正もあり、非正規・正規雇用を比較すると正規雇用が特にここ5年、非常に増えている状況です。なので、企業としてはここを大事にしていく必要がある。これが1つ目です。

2つ目は、「採用への影響」という観点です。
これは女性だけの問題ではなくなってきていると思います。男性の育児休業(以下、育休と記載)については4月から法改正も行われますが、「育休を取って積極的に子育てをしたい」という男子大学生の割合は上がってきています。男性も女性も育児にかかわっていけるような会社カルチャーを作っていかないと人口が減っていく中で選ばれる会社にはならない、そういう側面が2つ目にあると考えています。

3つ目は、企業価値への影響として「投資家からのみえ方」という観点です。女性の取締役がいる会社が株価にポジティブな影響を及ぼすということがグローバルなデータとして取られています。そして、日本のデータでも実際にパフォーマンスは出てきています。女性活躍が進んだ企業で構成されているMSCIの日本株女性活躍指数という金融商品と、女性活躍を加味しない金融商品を比較すると、2015年ぐらいから株価パフォーマンスは女性活躍が進んだ企業の方で高くなるという傾向が出てきています。

これは株価だけではなくて、純利益の増益率という観点でも女性管理職の多い企業は増益率が高いと言われているので、中長期で企業として取り組むことが企業価値の最大化になると言われています。実際、機関投資家の7割くらいが女性活躍情報を投資判断基準として重要視しています。

これはなぜかというと、「その方がパフォーマンスが高くなるから」であって、1つ目の人権という側面だけじゃなく「企業にとってもメリットがある」ということです。これはしっかり経営に対して理解を求めていきたいと考えています。

最後に、より目の前の「事業上の成果にも繋がる」ということはしっかり強調しておきたいなと思っています。この表、経産省が出している「ダイバーシティ経営診断シートの手引き」から引用しているのですが、4つのプロットに分かれています。この下2つは先ほど触れた点に近いと思います。間接的成果ですね。

一方でこの上2つ、「事業の直接的成果にも繋がる」という点がここでは述べられていて、例えば「生産性が上がる、商品の改良につながる」という点が挙げられています。
これだけ見ても実際のイメージが湧きづらいという点もあるかと思うのですが、女性の管理職比率が明らかに一般的な企業よりも高いマクアケさんで、坊垣さんが経営や事業を運営していて感じる点としてはいかがですか?

マクアケ坊垣さん:まさに、いわゆる事実上のメリットを私はすごく感じています。私は大中小問わず企業のアドバイザー的な立ち位置でお話しさせていただいたり、地方のイノベーションをテーマにした講演やビジネスコンテストの審査員をさせていただいたりするのですけれど、いろいろな企業さんの新しいものづくり、新しいサービスが生まれる過程、その瞬間にご一緒している中で思うのが「やっぱりイノベーションって多様性から生まれるな」ということです。同じ所属の人たちがずっと同じような議論を繰り返している中で新しいアイデアってやっぱり生まれづらいですよね。違う所属の人たちがそれぞれを理解し合う過程の中でそれぞれも当然成長しますし、色んな意見が飛び交う中で「そういう視点もあったね」といった新しい気付きがあって、そこから新しいことが生まれていくと思うので、イノベーションには多様性は欠かせないと思っています。当然年齢や男女だけではなく、国籍なども含めた多様性があるなと感じています。

XTalent上原:ありがとうございます。まさに色んな人がいることによって色んな特性が発揮される、色んなバックグラウンドの人がいることによる多様性が価値だということですね。

マクアケ坊垣さん:まさに色んな方がいることで当然組織は色んな役割が必要になるので、それぞれ得意な人がそれぞれにフィットしてやりがいを発揮できる、それで組織が成り立っている、という状態をつくりたいなと思っています。

XTalent上原:ありがとうございます。こちらのスライドでお話ししたかったこととも重なるのですが、こちらは経産省が出している「ダイバーシティ2.0」という資料です。1.0は何かというと、とにかく女性の数を増やそう、その数だけに追われて多様性の本質を見失ってしまっていたのがこれまで、という話があります。ここでは、成果やイノベーションを創出するためには属性の裏側にある能力、経験、価値観、これらの多様性がイノベーションにつながるということが言われています。

そのためにしっかり女性管理職比率を上げる、というのがプロセスとして必要な点も多くあると思うのですが、一番大事なのはイノベーションのために日本人の男性中心社会だったところから変わっていく必要があるということが書かれているわけです。

ここまでの話で、「たしかに理屈は分かった。とはいえ、いざ実現するとなると…」という気持ちの方も多いのではないかなと思います。多くの企業が多様性を生み出すためにいろんな壁にぶつかっていると思うのですが、坊垣さんも色んな企業を見てこられた中でどこが課題、ぶつかる壁だと感じられますか?

マクアケ坊垣さん:そうですね、やっぱり根本は頭では分かっているけれど本質的に理解できているか、という意識や感情だと思っていて、これはそれぞれの話だと思うのですよね。男性が自分と違う価値観、考え方、本当に人の気持ちになって考えるということは女性も同じだと思っていて、やっぱり同じような属性だと当然考え方も似てきて理解はしやすいと思うのですが、そうじゃない人の理解というのがやっぱり凄く難しいハードルになっているのではないかなと感じています。

XTalent上原:特に経営層に求められることだと思うので、経営層が例えばアンコンシャス・バイアスを本当に抱いていないか、という研修をするといったことも必要になってきますよね。弊社は採用のお手伝いをすることが多いので例えば求人票の内容を取っても男女で興味を持つ対象が分かれやすいという傾向があるなど、まさにいろんな観点で多様性を求めていくのが必要なのかなと思います。

ここまでまとめという形で、取り組むべき理由や属性だけではない多様性の創出に向けて企業は何から取り組むべきなのか、というお話をさせていただきました。実際そうはいってもなぜ進まないのか、もっと深掘りしていくために今回のレポートがあると思っていますので、ここから河合さんにバトンタッチをして次のセッション移らせていただければと思います。

企業のジェンダーギャップの課題、センターピンは?

Enbirth河合さん:Enbirth代表の河合です。今回私たちで調査分析を担当させていただいたのですが、こういった調査をやるよという話を上原さんから伺った時に「それは是非弊社でやらせていただきたい」と手を挙げたんですね。なぜ私が是非やりたいと言ったかと言いますと、私自身、実は育休を機にガクンと気持ちが下がりそこから長い長いもやもや期を経験した、という経験を持っています。なので、女性活躍、ジェンダー、ライフとキャリアの両立というテーマには物凄く強い課題意識を持っているんです。加えて、今私たちは「WorkEX 働き方の健康診断」というHRサーベイの事業をやっています。人が働くということに関する調査分析には並々ならぬ強い思いがありますし、私自身のこういった課題意識があったことから、今こういった貴重な場をいただいている次第です。

さて、既存の女性活躍関連の調査やジェンダーの調査って色々あるじゃないかと思うのですが、今回は大きく三つ違うんですね。まず一つ目はデュアルキャリアカップルに焦点を当てています。それって何かと言うと、自己実現のために働くというキャリア意識の高い人達を調査の対象にしています。

2点目は男性側の視点にも着目しています。こういった今までの女性活躍の調査はどうしても女性側の視点、事象のみに偏って語られがちだったのですが、今回は男性側の視点にも着目して分析をしています。

3点目に、調査をしている私たちとしてはここが一番大事だと思ってるのですが「なぜ」を数値化する、ということをこだわっています。一般的な調査は「女性管理職比率●●%」「男性の育休取得者数●●%」という結果ファクト情報だけが数字で語られ、「なぜ女性管理職が増えないのか」その「なぜ」という背景がどうしても個人の経験、価値観といった質的なものに頼られがちだと思うのです。でも、私たちは調査をしている立場の者として、この「なぜ」を分析して数値化することに意味があると思っているので、今回もその「なぜ」にこだわって分析をしてきました。

今回の調査で紐解いた「なぜ」は、「なぜ育休復帰後の女性は職場で違和感を感じるのか」「なぜ日本で女性管理職が増えないのか」「なぜ男性も女性も生きづらいのか」、最後に「こういった状況を踏まえて多様な人材活躍のために企業はどうすればいいか」ということです。こういう流れで進めていこうと思います。

育休を機に女性は仕事の質をより求めるようになる

まず、「なぜ復帰後の女性は職場で違和感を感じるのか」今回視聴いただいている方の中にも、もしかしたら復帰後にもやもやっとした経験がある方もいらっしゃるかもしれないのですが、ここを紐解いてみました。
まず、これは育休復帰前から育休復帰後の本人の意識の変化、仕事に求めるものを表しているグラフです。

オレンジで見えているのが、育休前に仕事に求めていたこと。緑で表しているのが育休後の現在仕事に求めていること。注目いただきたいのはこの緑とオレンジの差です。ほとんどの項目で、緑がオレンジよりも大きいスコアになっています。

どういうことかというと、育休前も勿論仕事が面白いということを求めていたのだけれども、復帰後の方がより仕事の面白さを求めているということです。この「能力、強みが発揮できる」「スキルや経験が身につく」というのは育休前から求めて大事にしていたのだけれども、復帰後の方がより強く求めている。「裁量権を持って仕事ができる」「存在意義を感じられる」「世の中の役に立っていると思える」こういったことが全て復帰後の方が意欲満々な状態で復帰してくるわけですね。

つまり、「育休を機に女性は仕事の質をより求めるようになる」というのがこのデータから見て取れると思います。

会社からアサインされる仕事と本人の意欲に大きなギャップ

一方で、意欲満々で職場に復帰した人達がどうなっているかと言うと、実は会社からアサインされる仕事の質が逆行しているのです。緑とオレンジの棒グラフを比較していただくと、さっきと逆のスコアになっています。育休前に仕事で満たされていたことがオレンジ、育休復帰後に仕事で満たされていることが緑ですが、さっきは全て緑の方が大きくなっていましたが、今は逆でオレンジの方が大きいですよね。

つまり、「仕事が本質的に面白いということを本人は求めているのに復帰後にどうも面白い仕事がアサインされなくなっている。能力、強みも発揮できなくなってきている、存在意義もあんまり感じられなくなってきている」ということです。つまり、会社からアサインされる仕事と本人の意欲に大きなギャップがある。ここが多くの人たちが育休から復帰した時に「あれ」という違和感を感じるところなのかなと思うのですが、多くのワーキングペアレンツと接している上原さんのお話を伺いたいです、どうでしょうか?

XTalent上原:「せっかく子どもを預けているのだから、やりがいがあって社会にとって役に立つような仕事をしたい、でも今の仕事だとどうしても配慮されてしまう、なかなか結果を出しても認められない、歯がゆい」と感じていらっしゃる方が非常に多いです。すごくもったいないですよね。

マクアケ坊垣さん:質を求めるようになるというのは、お休みしている間にエネルギーが溜まってやる気が出るという話と共に、大切なものが増えた状況の中で時間の使い方、自分のコミットの仕方、限られた時間の中でいかにパフォーマンスを出すか、そこで自分は何ができているのか、そんな問いがより深くなるのかな、そっちの方がもしかしたら強いのかもと思います。

XTalent上原:問いの深さ、確かにそうですね。

Enbirth河合さん:あと「自分の仕事が世の中に役に立っていると思えること」ですね。ここは私自身はすごく感じていて、やっぱり子どもに誇れる仕事がしたいよね、という意識が芽生えたりするのです。なのでこのデータを見て「はは〜なんか分かるな〜!」と思って、きっと画面のこの向こう側でも「分かる!」と言って下さっている方がいるのではないかなと思うのですが、ここで注目いただきたいのが、実はここなんですね。

育休復帰後の人はほとんど昇進機会をアサインされなくなる

一瞬見落としがちなのですけども、一番差が出ているのが「昇進機会」です。

育休前に昇進機会をアサインされていたのだけれど、育休復帰後の人はほとんど昇進機会をアサインされなくなっている。ここで24ポイントもの大きな差が出ているというのが結構衝撃で、今、女性活躍、女性管理職比率を増やさないといけないという中で、実は提示される昇進機会がこれだけ減っているってどう思いますか?びっくりしますよね。

マクアケ坊垣さん:私は経営者なので当然シビアに会社の業績のマイナスインパクトの感覚も分かるんですよ。重職にある女性が長くいない時間があって、他の方に同じミッションを任せたりして、その期間を何とか凌いだ後にその方に同じポジションに戻ってもらうことは調整上可能か、ということが個人の尊重だけで物事を考えられれば容易なのかなと思うのですが、確かに経営目線で行くと凄く悩ましいところもやっぱりあって、ただその中でいかに、個人の尊重、個人の得意不得意、個性、復帰後のやる気を尊重できるようなバランスをどれぐらい柔軟に経営や人事が考えられるか、という話なのかなと思います。マクアケはできるだけ、例えばマネジメント職だったり営業職だったり、復帰後の女性にハードルが高いと言われているようなポジションも引き続きそこに戻ってくれるように、というのを私が100%コミットで調整しています。

Enbirth河合さん:やっぱり経営者のコミットって大事ですよねとすごく思います。ここで、昇進への意欲がどれだけ変わっているのか見てみたのですが、子どもがいるが故に配慮してしまうという事実があるというのがデータから確認できます。何を聞いているかというと「あなたが現在の勤務先で子どもがいるが故に経験したことがあるものについて教えてください。」オレンジが女性、緑が男性なのですが、20%もの女性が子どもがいるが故に責任の少ない仕事を与えられてしまったり、出張にアサインされていない。一方で男性は同じように子どもがいても、89%の人が特にこういうことは経験していない、と言っているのです。これらのデータから女性に対しての配慮は未だに多いという事実が明らかになりました。

マクアケ坊垣さん:これは対話をせずして思い込みによる配慮が発生しているのではないかなと思っていて、やっぱり人によって事情は違うので、例えばご両親がお家にいて子育てをご家族みんなでできている環境の中でたまになら出張にいけます、たまになら夜の飲み会も出られますという方に、どうですか?という対話をしていれば実態は把握できます。しかし、無理のない範囲で〜ということができたとしても、それはただ配慮をしているだけでそれ自体が思い込みである、ということが結構世の中に発生しているのではないかなというのは思います。

Enbirth河合さん:まさにですね。対話ができるかどうかっていうのはやっぱりカルチャーによるので、そのカルチャーづくりが大事ということをさっき坊垣さんも仰っていましたけれど、凄く大事ですよね。

女性が管理職を増やすためには13%の存在が鍵

さて、ここで「本人の昇進意欲ってどうなのでしたっけ?」というのを見てみたいと思います。会社からの昇進機会が激減しているという話をしましたが、本人側の昇進意欲はどうなのかというと、この一番多い83%の黄色の人たちは元々昇進意欲がそんなになくて、育休復帰後も依然としてそんなに昇進意欲がないよ、という人たちです。ただ、ご注目いただきたいのは青いところとオレンジのところです。まずこの3%が育休前も育休復帰後も依然として昇進意欲を保ち続けているというすごくパワフルな人たちで、一番ご注目いただきたいのはここなのです。そしてこの13%の人たちは育休取得前には昇進意欲があったにもかかわらず、育休復帰後に昇進意欲が下がってしまった人たちなのです。

この3%、13%、80%という数字を見ると、マーケティングをやっている人は、あれ?ビビビッ!とくる人もいるかもしれないのですけれど、「キャズム超え」と表現されるイノベーション普及論です。商品とかサービスとか、新しい価値観とかライフスタイルとか、新しいものが世の中に広まって行く時にどのように広がっていくのか、ということを表している理論です。

このイノベーターという2.5%の人たちは新しいものに何でも飛びつくような、iPhoneが日本で発売されたらもう真っ先に飛びつくような人たち。その後に飛びつくのがアーリーアダプターという人たちなのですが、この人たちは単に新しいだけでは飛びつかなくて、しっかりとその商品、サービスを理解した上で購入するような人たちなのです。

ここから一般的に普通の人にまで商品を広めていこう、マジョリティまで広めていこうと思った時に、このアーリーアダプターとマジョリティの間に大きな溝があって、それをキャズムと言うのですけれど、そのキャズムを超えないと世の中一般に広がっていかないよ、ということを表しています。

この2.5%, 13%, 80%ってまさにこれと一緒なんですよね。今回の調査の3%という人たちもまさにイノベーターです。皆さんの周りにもいらっしゃると思うのですが、育児をしながら女性管理職をやっている方々は、もう本当にスーパーウーマンみたいな普通の人とはちょっと違うよね、というすごくパワフルなイノベーターのような方々なのではないかなと思います。

女性が管理職になるということが普通のこととして世の中に広がるためには、アーリーアダプターと言われる13%の人たちに受け入れてもらって、女性が管理職をやることは別に特別じゃなくて普通なのだという感覚が芽生えて初めて世の中一般の人たちに広まっていく、という流れができるのかなと思います。

普通の人が管理職になるということがどうして広まらないのだろう、男性って別に普通の人、そんなに意欲モリモリな人じゃなくても部長や課長になっていたりしますよね。女性は一部の本当に限られた人しか管理職になっていないというのは、このキャズムを越えていないから、アーリーアダプターの人たちが育休を機に昇進意欲が下がってしまっているからなのではないかなと思います。

マクアケ坊垣さん:私そもそも思うのが、昇進そのものに対する女性の感覚とか意識の話はあるなと思っていて、イノベーターでもアーリーアダプターでも私は多分子どもを生んだとしてイノベーターだと思うのですけれど、昇進意欲はないんですよ。そういうとすごくびっくりされるのですけれど、別に経営者をやりたかった訳でも役員をやりたかった訳でもなくて、たまたま「これいいな」と思った事業を立ち上げたのでこの立場にいるというだけで、昔から上にあがりたいとか絶対管理職やりたいとかはなくて、どちらかと言うとそういう意味での野心がそんなになくて、身近な人に対するやりがいだったり感謝されることだったり、自分の存在意義のような価値を感じられるか、ということの重要度がそもそも女性は高いから、当然イノベーターもそうだしアーリーアダプターもそうなのですけれど、アーリーマジョリティぐらいまでに持っていくのがすごくハードルが高い、というのはあるのかなと思うのです。ただ逆に言うと、言われたら、任せられたらできるという人も多いと思っていて、「いや興味ないです」と本人が言っていても思い切って任せてみるという意識も重要だなと思っています。マクアケは管理職女性が半分ですけれど、大体女性は皆さん、昇進について「あんまり興味ない」と言うんですよ。でも、できるから世界変わるからやってみようよと言って「やめればいいからさ、合わなかったら」と言って、「私が責任を取るわ」って言って、基本的にやってみてもらうと、足を踏み入れてみると、「あ、こんなもんか」と思ったり、「実はちょっとここは楽しかったな」とか「自分できるかもしれない」と思ったりするという、やってみたらいいのにな、やってみることができる環境があったらいいのになというのが一番思うところです。

Enbirth河合さん:そうですよね。そういう意味でいくと先ほどのデータ、「会社からアサインされる昇進機会が配慮によって下がってしまっている」というのはすごく残念ですよね。むしろ「やってみなよ、大丈夫だよ」と言って、昇進機会をどんどん与えるという方がきっといいんだろうなと今の坊垣さんのお話を聞いて思いました。

家事育児の負担は0~50%が男性、50~100%が女性

次に、今までは会社の職場環境のデータを見てきたのですけれども、次は家庭環境のデータに話を移していこうと思います。これは家庭内での家事・育児の負担割合、男女でどのように負担したいですかという希望値と理想値です。

女性がオレンジ、男性が緑なのですが、男性女性共に理想は50%だよねと言っています。ただ、現実はどうなのかというと0~50%が男性、50~100%が女性で、理想と現実がこんなに違うのかというのが結構衝撃です。

そして注目いただきたいのがここです。男性女性共に50%でピークに来ていますが、女性の方が若干60%のところも高いのです。つまり、女性側自ら、ちょっとだけ多く家事育児を負担してもいいよと思っている人がいるのです。ここは後でお話しします。

この理想と現実は全然違うよということを踏まえて、さっきのアーリーアダプターと言われる13%の人たちは、どれだけ家事育児を負担しているのかというと、70%なんですね。70%も家事・育児を負担していたらそれは昇進欲も下がる。忙しくって難しいといういうのがよく分かるのですが、これだけ家事育児を負担してしまっているというのがさっきの13%、キーになる人たちですね。ここに関しても議論したいところなのですが、ここを始めるともう終わりが見えなくて男女の家事・育児負担問題っていうのは多分朝まで語られてしまうと思うのでここは一回飛ばしますね。

次に、職場に話を戻していきますが、私たちはこれを制度浸透ピラミッドと呼んでいます。何かと言うと、制度があるだけではなくてどれだけその会社に浸透しているか、実質的に運用されているか、というのを表しているグラフで、多くの企業がもう既に育児と仕事を両立するような制度が充実しているのです。育休、時短、そういった制度も整っていると思います。

大事なのは制度があるかどうかではなく、

◆その制度が女性だけではなく男性も使いやすいのか
◆制度を使っても肩身の狭い思いをすることはないのか
◆制度を使っても評価や昇進に影響がないのか
◆子どもができても負荷が少ない仕事ばっかり与えられることがないのか
◆育児などを理由に一旦キャリアのコースを外れても、(例えば育休や時短をとったとしても)再度キャリア構築をすることができるのか
◆一人一人のライフステージに合わせてキャリア構築ができるのか

ここまできて初めて制度がきちんと浸透している、ライフとキャリアがトレードオフになっていないと言えると思います。

これが理想形としてはグラフは寸胴、長方形、真四角になのですが、ご覧いただくと凸凹になっていますよね。制度はあるのだけれども、その制度は実は男性は使いづらい、制度を使うと肩身の狭い思いをする、制度を使うと評価や昇進に影響がある。これが多くの日本企業の実態です。なので、この項目のスコアが特に低くなっているのです。「制度はあるのだけれども、利用することが足かせになっている」というのが見て取れます。


両立支援制度を利用すると肩身の狭い思いをする

もう一つご注目いただきたいのが、この緑とオレンジの棒との対比です。緑の方がケア責任がある人、つまり今育児中で制度を使うような当事者の人たち。オレンジの方の人たちはケア責任がない、つまり育児中ではなく制度を使う対象ではない非当事者の人たちです。ここで緑とオレンジを比べて見ていただくと、全項目で緑のほうがスコアが低いのです。つまり当事者が、例えば「制度を利用すると肩身の狭い思いをする」と感じている一方で、制度を使っていない非当事者から見ると「いやいや全然肩身狭いなんてそんなことないでしょ」「別にどんどん制度を使ったらいいよ」と思っているのです。「評価や昇進に影響はない」と非当事者たちは言うのだけれども、当事者の立場では「いやいや、こういう制度を使うと評価とか昇進の足かせになってしまうんですよ」という、これだけ当事者と非当事者で見える世界が違うというのがすごく重要な点だなと思っています。

もう一つ聞いてみました。「自分の働き方がもし〇〇だったらもっと評価されるのにと思うことがあれば教えてください」。これもケア責任がある人とない人で比較しているのですが、「もし自分が日常的に残業ができたらもっと評価されるのに」と思っている人たちが37%もいるのです。これだけ今のご時世になっても未だに長時間労働が何となく評価の暗黙知のルールとしてある。長時間働いている人が頑張っているとみられるというのは凄く衝撃的だなと思いました。

ここで最後の調査結果にはなるのですが、今まで女性やケア責任のある人たちがどういうアンコンシャス・バイアスの影響をうけているのか、という点で無意識の配慮がされてしまうことなどがこれまでの調査結果で見えてきたと思うのですよね。。では、男性はそういう風に見られているのか、女性側のアンコンシャス・バイアスはないのか、という観点で面白い結果が出ました。育休復帰後の男性たちに「キャリア重視ですか、それともライフ重視ですか」ということを聞いたところ、60%以上の育休復帰後の男性が「自分はライフ重視である」と回答しているのです。

育休をとる男性はまだまだ珍しいというご時世ですから若干ライフ寄りにはなるのかなと思うのですけれども、さっき冒頭で上原さんから見せていただいたデータで、だんだん男性も家事・育児にコミットしたいという人たちが増えてきていると思うのですよね。なので、キャリアだけではなくライフもしっかり重視したいという男性は多いというのはすごく納得できるなと思います。

一方で、「女性から見た男性はどうなのか、キャリア志向のある女性が男性をどう見ているか」を表しているデータとして、90%以上のキャリア志向のある女性が "男性はキャリアでしょ、ライフじゃないでしょ"と思っているというデータが出ているのです。これを見た時に私自身もハッとさせられたのですけれども、私も男性に対してアンコンシャス・バイアスがないかというと、やっぱりあるなと思っています。

なぜかというと、私も5年前に会社を辞めまして最初はフリーランスからスタートして今起業してこういうサーベイをやっていますが、フリーランスとか起業とか、もう一回大学に戻るとか、多様な生き方をする女性って今どんどん増えていると思うのですが、一方でやっぱり男性はまだまだ大黒柱という意識がすごく強くて、本人も配偶者の側からしてもやっぱり強くて、安定した収入を手放すということに対する抵抗力は大きいのではないか、ということをこのデータを見ながら私自身もハッとしました。

XTalent上原:自分もすごく感じるところがあって、やっぱり転職希望者の中で女性の方が働き方の柔軟性、両立を重視したいので年収は下がっても構いません、という方が非常に多いです。一方で、男性の登録者の方だと年収は下げられないですと仰ることが圧倒的に多くて、その差にも繋がっているのかなと感じるデータです。

マクアケ坊垣さん:これを拝見して、思い込み・バイアスという話と共にもうひとつあるかなと思ったのが、男性一般に対してどう思っているかというよりは、男性といった時に自分の夫が浮かぶということだと思うのです、基本的には。そう考えた時に、男性側は自分としては限られた時間の中で家事・育児をしていてそれによって「当然ながらライフを重視しているよ」という意識があるのですけれど、女性側からすると「いや、私がやっていることの方が多くない?」「そもそもあなたが知らない、みえない家事を沢山やっているのよね」「子どもが生まれる前から私の方が家事をやっていました」という家庭だとなおさらだと思うのですが、「ライフ重視ですと言われても事実上そうなっていないように見えるんだけど」という気持ちはありそうです。

Enbirth河合さん:さっきの「家事・育児負担7割やっていますけれど」というのは他の話題と組み合わせてみるともうこれは朝まで語られてしまいそうだと思います。話したいことはたくさんありつつも、一旦ここまでで調査結果のまとめに入りますね。ここまで色んな側面を見てきましたけれども、私はですね、スタート地点はここだと思うのです。

さっきの制度浸透ピラミッド、「制度はあるんだけれどもそれは女性のものになってしまっていて男性は使いづらい」という項目でガクンとスコアが低かったのですが、

ここがスタート地点になっているがために
男性は制度を使えないから仕事が忙しくなる、そうすると物理的に時間がない。だから家事育児は女性に負担としてのしかかってしまう、そうすると女性も物理的に時間がなくなる、そして昇進意欲が下がってしまう

こういう負のサイクル、流れができているなと思うのです。そして、そこにアンコンシャス・バイアスも入ってくるのです。さっきのデータでは女性側にもパートナーと50:50で家事・育児を分担したいよ、という人が圧倒的に多かったのですけれども、若干多めで6割負担してもいいよ、という女性もいたのですよね。私女性だからちょっとだけ多めに家事育児をやるよという女性自身の考えも重なり、それが余計に女性の家事育児負担の多さに拍車をかけてしまっています

あとは、さっきの男性側の大黒柱アンコンシャスバイアスですね。「男はキャリアでしょ」というのがあって結局男性側の仕事が忙しくなってしまうということがある。そうなると男性中心の職場が出来上がってくる。その結果、長時間労働が前提、評価で昇進の足かせになってしまうという制度活用など、負のサイクルが出来上がってしまうのです。

じゃあ、どうしたらいいのかと言うと、やっぱり一番大事なのはここです。スタート地点の「男性が制度を使える職場の雰囲気、カルチャーにする」ということがすごく大事なのではないかなと。ここに楔を打つことでこういう負のサイクルがなくなっていくのではないかなと思います。

ここまでまとめさせていただいて、3つの提言を掲げさせていただきます

まずは、企業の経営者の皆さま、それから人事関連部門の皆さま、それから今日視聴いただいている全ての皆さまにお願いしたいことは、普通に制度があるだけじゃない、男性も公平に制度を使える風土づくり、カルチャーづくりというのをぜひ一人一人が心掛けていただきたいなと思います。

そして暗黙知の評価基準。未だになんとなく残業している方が評価されてしまう、制度を使っていると評価の足かせになる、といった暗黙知の評価基準をなくす取り組みを、一人一人がやっていかないといけないなと思っています。

あとは、これはもちろん対話をした上でなのですが、育児中の人材には単に配慮するのではなくてしっかりやりがいを与える、ということをもちろん企業側と個人双方の対話の上で実現していけたらと思います。

最後に、さっき私自身もハッとしたと言っていましたけれども、いま一度皆さん一人一人、自分のアンコンシャス・バイアスに向き合う機会を設けていただけたらと思います。

ここまでの話で一番大事なのが、実はこのカルチャーづくりで、男性も普通制度を支えるような風土づくり、暗黙の評価基準をなくす取り組み。これが凄く大事なのですけれども、「じゃあ、どうやって実現するの」というところがすごく難しいところで、ここは答えのない領域だと思います。それを実際実現している企業さんたちは、マクアケさんを初めとして存在していると思っていて、そういう方たちの話を聞くというのが一番これを実現する上の近道なのではないかなと思います。

調査協力企業様の結果

最後に少しご紹介しますけれども、今回調査にご協力いただいた25社の企業様だけに絞った結果をお見せします。育休復帰前と育休復帰後で仕事で満たされていることには大きな差があるとお話しましたけれども、今回の25社に限っては大きな差はありません。ほとんどの企業さんで育休復帰前も育休復帰後も変わらず能力・強みを発揮できていますし、仕事を楽しんでやっているという状態が見えます。そしてここが一番衝撃ですけれども、さっきガタガタなグラフになっていましたが、25社だけに絞ってみるとしっかり長方形なのです。制度があるだけではなく、浸透している状態が見て取れます。

こういう状況を実際どうやって実現しているか、というのを明日以降のカンファレンスで是非各社さんのお話を聞いてゆけたらと思います。調査結果の報告としては以上になります。ありがとうございました。

登壇者の皆さん:どうもありがとうございました!


集合写真

- 各登壇企業からのメッセージ動画 -

- 視聴者のみなさまの声- 

ありがとうございました。とても興味深い調査結果でした。マーケティング理論に当てはめての考察は目から鱗で、この先の道のりの長さを感じさせる結果だと感じました。

自分ごと化出来ていない人にこそ、届いて欲しいですね。育休明けの女性が働きやすい環境を作るには、まずは男性育休制度と働き方の改善が優先という内容に目からウロコでした。しかも、ただ単にイメージやこうなればという頭の中だけの理屈ではなく、アンケートから導き出して、この解決策に結びつくのは本当に説得力があります。

男性社員の働き方の見直し、本当に大切だと思います。そう考えると、単身赴任制度なども、働く女性、お子さんを持つ女性にとっては大きな問題かと思います。欧米の方は、日本単身赴任制度に驚かれ、そんな制度が自分にあれば、家庭が崩壊するとも思うようです

生理休暇も世界で一番早く制度を作ったのは日本なのに、利用率は1%未満です。制度は作ることが目的なのではなく、それで「みんなが助かる/ラクになる」のが目的だよなぁ、と改めて考えさせられました。

坊垣さんが200人規模になったスタートアップ経営者としてのご経験から、ご自身のリアルな工夫や感じていることなどをご自身の言葉で語っていらっしゃったのがよくわかりました。ジェンダーの切り口だけでなくても組織内の人員配置などの参考になりそう。よくわからないカタカナ語を並べて表面的なことをディスカッションしているセミナーもよくあるのですが全然違ってました。

調査報告内容が大変充実しており、中身の濃い60分でした。感謝です。

制度があるだけじゃダメっていうのは、本当にそうで。数年前から言えるところでは言ってきましたが、全社的なことにはつながらず。こういった調査でも明確に出ていることを伝えて、会社の文化が少しでもいいほうに変わるようにと思いました。

アンコンシャスバイアスによる影響も多いと感じましたが、これをなくしていくためにどう企業・個々人としてなにをすべきでしょうか?またアンコンシャスバイアスが女性活躍へどう影響、作用するかなど調査データもあると、参考になります。

うっすら思っていたことが、定量的なデータとして出てきたこと、素晴らしいと思いました。これらの情報を広めねば、と使命感を感じました。

改めて多様性の重要性とエビデンスの整理ができました。

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