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DEIは全ての企業が成長するための鍵になる。一歩踏み出すきっかけは推進担当者の「内省」 | メグリ株式会社

「フェアな労働市場をつくる」をミッションに掲げるXTalentは、DEI向上を目指す企業を対象としたアンコンシャス・バイアストレーニング(以下、UBT)を提供しています。

様々な企業のDEIの在り方にフォーカスした「#DEIのカタチ」シリーズとして、今回はメグリ株式会社のHR中島敬太氏とCTO大久保和彦氏にインタビューを行いました。

メグリは「すべてのデータをよろこびの体験に」というビジョンのもと、アプリマーケティングプラットフォーム『MGRe』の開発・運営を手掛けています。

お二人が思う、企業がDEIに取り組む意義、他企業に伝えたいこと、XTalentのトレーニングを受講した感想等を伺いました。

【中島敬太氏 プロフィール】
株式会社アイシンにてトヨタ自動車向け営業としてキャリアをスタート。のちに海外で起業を目指すも及ばず、株式会社パソナ・人材紹介事業のRA/CAリーダーとして従事。その後、創業メンバーとしてRPO事業の立ち上げを経験。2021年、メグリ株式会社(旧・株式会社ランチェスター)にHRとして入社。組織開発全般を担う。

【大久保和彦氏 プロフィール】
IDCロボットコンテスト大学国際交流大会日本代表。学生時代に株式会社ファクトリアルにCTOとして参画。2015年株式会社CTO設立。MGReの立ち上げ時より支援し、2020年1月メグリ株式会社(旧・株式会社ランチェスター)入社。


自分の中にあるかもしれない差別意識を、
知っておく必要があると思った


ーーまず最初に、今回UBTをご利用いただいた理由を教えてください。

中島:XTalentさんからUBTを紹介された時点では、アンコンシャスバイアスのことはよく知りませんでした。それでも受けてみようと思ったのは、UBTの受講が「メグリらしい」取り組みになると思ったからです。

メグリの社員は約6割がワーキングペアレンツです。小さい子どもの育児をしながら働いている社員も多く、誰もが気持ちよく働ける組織をつくるために、アンコンシャスバイアスについて一度しっかり学んでおこうと思いました。

大久保:自分も中島と同じで、アンコンシャスバイアスという言葉は聞いたことがありませんでした。

普段から偏見を持たないように気をつけてはいたものの、UBTの話を聞いて「自分自身も気づいていない差別意識が自分の中にあったら嫌だな」と感じ、それに気づくチャンスになればと受講を決めました。


ーー実際にトレーニングを受けて、どのような気づきや変化がありましたか?

大久保:日常的に「自分の判断がアンコンシャスバイアスの影響を受けていないか?」と考えやすくなったと思います。

例えば、当社の役員は40代の男性が中心なのですが、それによって生じているバイアスがあるかもしれないと考えられるようになりました。

また普段のコミュニケーションにおいても、相手の背景に対する配慮をより意識的にするようになった気がします。

中島:UBTではトレーニング前にサーベイを受けると、自分の中にどんなアンコンシャスバイアスがあるのかが可視化されたチャートをもらえるのですが、その結果がとても新鮮でした。

特に意外だと感じたのは「ステレオタイプ」の項目です。自分は採用業務を担当しているので、学歴や社歴などの情報だけで相手を判断しないように普段から相当気をつけているのですが、それでもこの項目の数値が高く出てしまいました。

自分が思っている以上に「ステレオタイプ」にとらわれないように意識する必要があると気づけたのは、大きな発見でした。


ーー組織づくりを担う人事としては、どのような発見がありましたか?

中島:アンコンシャスバイアスという概念への理解がメンバー全員に浸透することは、組織全体にかなりポジティブに働くと思いました。

自分が相手に対してどんなバイアスを持ちやすいかを知っておけば、コミュニケーションの深度が上がり、信頼関係を築きやすくなるはずです。1on1の質も高まり、それが結果的により良い組織をつくることにつながると感じました。


DEIを事業に織り込むクライアントに、
同じ目線で向き合うために


ーーメグリではDEIに対してどのような姿勢で向き合っているのでしょうか。

中島:「DEI」という言葉を掲げて何か特別な取り組みをしているわけではありませんが、メグリでは多くの社員が子育てをしながら働いており、子どもがいる社員が心理的安全性高くいることができる土壌があります。

例えば、当社では11〜15時がコアタイムのフレックス制を導入しているのですが、勤務時間中に家庭の都合で中抜けする社員がいても、誰もそれを責めたりしません。

採用時も「子どもがいるなら活躍してもらうのは難しそうだ」といった視点で候補者をみることは一切ありません。


ーーそのような価値観が根付いているのは、すでにワーキングペアレンツでありながら成果を上げている方がたくさんいるからなのでしょうか。

大久保:そうだと思います。もしかしたらこの考えも、私がワーキングペアレンツであることによる「親近感バイアス」の影響が多少あるのかもしれませんが(笑)


ーーそんなことはないと思いますが、トレーニングの成果が早速現れているようですね。ちなみに組織面だけではなく、事業面においてDEIを意識することはありますか?

中島:あります。メグリではお客様の成果が出るまで「寄り添う」ことをサービスのコンセプトにしているので、お客様のブランドコンセプトを深いレベルで共有いただく機会が多く、お客様から影響を受けるシーンは多々あります。

例えば当社のクライアントであるパタゴニア様は、単に利益を追求するのではなく、事業を通じて地球環境を守りたいという想いを強くお持ちです。お客様を理解する過程で、DEIへの向き合い方について学ぶことは多いです。

大久保:メグリはパタゴニア様のように、DEIを意識した事業展開をしているお客様と多くお付き合いをしています。このようなお客様に伴走していくためには、当然自分たちも一定のDEIの目線を持っている必要があると思います。


ーーお客様との関係性から学んだことが、メグリのサービスそのものにも良い影響を及ぼしそうですね。

大久保:そうですね。メグリはクライアントから学んだことを外に広げていく役割も担えると思っています。自社だけでなく、周りの会社にもいい影響を与えられるような存在になれたら嬉しいですね。



UBTの受講は「内省」を促す機会になる


ーーDEIを自社の経営にどのように取り入れていくべきか、悩んでいる方へメッセージをお願いいたします。

中島:DEIを実行に移せるかどうかは、推進担当者が「内省」をしたかどうかがポイントになると思います。

「このままじゃ本当にまずい、何かを変えないといけない」と腹落ちした人は、きっと行動できるはずです。UBTはその「内省」を促す良い機会になるので、何から始めたら良いか迷っている人はぜひトレーニングを受けてみることをおすすめします。

大久保:DEIに関して世界で最も成功している企業の一つは、マイクロソフトだと思います。同社は社長がインド出身ですし、女性の登用も多いですよね。ここ十数年の間に事業内容を大きく変えながらも企業価値を高めてこれたのは、同社が組織面においても技術面においても柔軟な考えを持っていたからだと思います。

それを考えると、DEIは全ての企業が成長するために、当たり前にやっていかなくてはならないことなのだと思います。


ーーそれでは最後に、DEI推進に関して今後の展望を教えてください。

中島:事業成長につながる可能性がある取り組みは全て試していくつもりです。その一つが外国籍社員の採用です。関東エリア在住の日本国籍のITエンジニアは今レッドオーシャンであり、この壁を超えるためにはDEIが一つの鍵になります。

今までと視点を変えて、「日本語を話さない外国人」「地方在住の人」「育児中のワーキングペアレンツ」など対象を広げて考えると、事業の可能性はどんどん広がっていきます。


ーー人材の多様化が、事業成長の鍵になるということですね。

中島:そう思います。おそらくDEIの推進に二の足を踏んでいる人は、「事業成長につながるのか?」という懸念を持っていると思うのですが、DEIを実際の戦略にきちんと落とし込むことさえできれば、事業成長に直結させることはできるはずです。

個人的には、女性のリーダーを増やすことはとても大切だと思っています。今エンジニア市場には女性が少ないですが、きちんと成果を出せる人であれば、性別や子育て中であるかどうかなどは本当に関係ありませんから。

大久保:日本のスタートアップにはまだ女性が少ないですよね。メグリではたくさんの女性社員が活躍しているので、ゆくゆくは経営幹部にも入るメンバーが出てきてほしいです。そのためにも、アンコンシャスバイアスやDEIの概念を組織のメンバーが知っておくことは大切なのだと思います。



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ーSTAFFー
企画:筒井 八恵(XTalent株式会社)
取材・執筆:一本 麻衣

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