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夫婦で9ヵ月の育休取得するも、復職後”まさかの落とし穴”が!妻子のため大手正社員の夫が下した決断とは?|わたしの育休復帰ストーリー vol.2 高橋 俊晃さん

令和5年3月、岸田首相が男性の育休取得率の政府目標を「2025年度に50%、2030年度には85%とすること」と表明しました。男女を問わず子育てと仕事を両立できるよう、国の後押しも始まっています。ワーキングペアレンツの転職支援に特化した『withwork』には、育休を始め子育てに積極的に参加するために転職を検討している男性の登録者が急増中。キャリアとライフの両立、パートナーとの関係性についてのお悩みも多く寄せられています。

今回は、そんなお悩みを少しでも解消するために3/14に開催した育休座談会の登壇者・高橋 俊晃さんの育休ストーリーをご紹介します!

現在、フリーランスとして様々な企業でご活躍中の高橋さん。学生時代から「子どもが生まれたら育休をとる」と心に決め、実際に2015年の第1子誕生時に9ヶ月の育休を取得。第2子が生まれる前には仕事と家庭のバランスを考えフリーランスへ転向されます。2度の育休とキャリアの変遷を経験した高橋さんに、“男性”もキャリアとライフをトレードオフにしない育休の取り方について伺いました。

笑顔の次男くんと育休中の高橋さん

■プロフィール
高橋 俊晃さん(フリーランス)
ワークスアプリケーションズにてコンサルタントや人事採用を担当し、2018年にフリーランスに。ミッション・ビジョン・バリューの策定や人的資本開示のプロジェクトなどを経験し、2022年8月にXTalentに業務委託メンバーとして参画。DEIコンサルティング事業の講師やコミュニティ「DEIラボ」の立ち上げや運営を担当している。一般社団法人Papa to Childrenの創業理事。2015年の第1子出生時に9ヶ月の育児休業を取得。現在は男児2人の父。


ーそもそも、育休を取ろうと思ったきっかけは?


子どもを産んだ後も働きたいと願う女性が右肩上がりに伸び始めた2004年。当時、就活に明け暮れていた高橋さんは、ある決意をしたと語る。

「実は、学生時代から『将来、子どもが生まれたら1年くらい育休を取ろう』ということを決めていました。」

性別的役割に対する疑問が叫ばれ始めた時代だったが、2004年に内閣府が公表した白書によると、1日の家事・育児・介護にかける時間を比較したところ、妻が4時間12分なのに対し、夫はたったの25分。夫は外で仕事をするべきであるという考えがまだまだ強い風潮の中で、高橋さんが決意した想いは10年経っても揺らがなかった。

「時は流れ、結婚して妻が妊娠し、実際に育休を取ることになりました。2015年に第1子が生まれて、夫婦同時に9ヶ月間の育休を取得しました。当時、男性育休はまだまだ一般的でない中で、長い期間、生まれたての子どもと妻と貴重な時間を過ごすことができました。」


ー初めての育休。その過ごし方は?


1人目の育休。男女問わず、誰しもが「産育休中は学び直しやリスキリングに取り組もう」とついつい妄想も膨らんでしまうもの。高橋さんの場合は…

「初めの3ヶ月くらいは、命を育てるプレッシャーと睡眠不足で夫婦ともにあまり記憶が定かではありません。。基本的には子育てに集中していましたね。」

右も左も分からない初めての子育てを夫婦で力を合わせて乗り越えたという高橋さん。一般社団法人Papa to Childrenの創業理事も務めているが、第1子育休中に活動の発端となるブログも開設したそうだ。

「少しずつ余裕が出てきてからは育休ブログを書いたり、当時は人事の仕事をしていたので、ささやかながら仕事に繋がる勉強をしたりもしていました。」


ー第1子の育休復帰後の大変だったことは?


9ヶ月間の育休を経て、夫婦同時に復職をされた高橋さん。復職後は“洗礼”を受けたと語る。

「保育園からの第一連絡先を私にしていて、発熱などで呼び出しの電話がとにかく何度も掛かってきました。噂には聞いていましたが、集団生活が始まると、こんなにも色々な病気をもらってくるんだなと…。」

初めての育休明け、高橋さんはフルタイム、パートナーは時短勤務で復職した。仕事をちゃんとしたい反面、やむを得ない子どもの体調不良で中断される…そんな葛藤を夫婦で経験した。

「元々すごく仕事が好きなタイプの私が、9か月間仕事からガッツリ離れて子育てに集中した…その後、久しぶりに仕事に戻るとなったら、やる気に満ちたテンションになるのは当然。ですが、子どもは熱出すし、週に何回も小児科に行かなきゃいけないしで、なかなかままならないわけです。夫婦揃って「これは、有給休暇なくなるぞ…」と焦って、ベビーシッターさんにお願いしたりもしましたね。仕事との調整をうまくできず、家事育児の負担を妻に寄せてしまったと反省しています。」


ースムーズな復職のために行った工夫は?


育休明けは仕事と家事育児を両立できるか…誰しも不安でいっぱいだ。少しでもスムーズな復職を叶えるために、どんな準備ができるのか?

「ベビーシッターサービスなど、事前にアカウント登録しておいたり、お試しで使ってみるというのはやっておいてよかったなと思いました。家事代行しかり、地域のファミリーサポートしかり、復帰後にお世話になるかもしれないサービスを試しておくのはオススメです。」

また、第1子の育休明けのしんどい経験から、こんなアドバイスも。

「復職後の夫婦間での役割分担や、それぞれがどれぐらい働くのかといった取り決めなど、コミュニケーションを密にとっておけばよかった、という反省があります。夫婦ともに子育ても仕事も全力で向き合っていると、やはり仕事に対してヤル気が高まった状態でフルタイム復帰した私と、時短で復職している妻だと、どうしても妻に負担を寄せてしまい、すごく迷惑をかけてしまったと思っています。」

復職後の仕事と家事育児の分担や両立において、パートナーとの密なコミュニケーションをとることは非常に重要だ。それに加えて、復職する企業とのコミュニケーションも大切だったと高橋さんは語る。

「会社の復帰前面談をしてもらったことは、すごく安心できましたね。人事の方や復帰後に一緒に仕事をするチームメンバーが『戻ってきてくれてありがとう』『育休お疲れさま。戻ってきたらまた一緒にやろうね』という風に、温かく迎え入れてくれることを感じられました。また、復職後の不安や子育ての状態を伝えられたことも良かったです。そういった職場の方とのコミュニケーションの機会というのは必要なんじゃないかなと思います。」

パパ友も多い高橋さん。自分以外の育休取得経験者の声も教えてくれた。

「周囲のパパ達からは『社内外の子育て仲間に救われた』という話を聞くことが多いです。まずは社内で安心して子育てトークができる同僚を見つけてみると良いと思います。社内でなかなか見つからなかったり、同僚と話しづらい時は、社外のコミュニティも活用すると、多様な属性のパパたちと出会えます。」

自分自身も子育てをする仲間を求めていたからこそ、高橋さんは一般社団法人Papa to Childrenを創業するに至ったのだろう。


ー第2子の育休前にキャリアチェンジ。そのきっかけは?


パートナーが第2子を妊娠中に、自身のキャリアについて見つめ直したという高橋さん。第1子の時の学びを活かし、会社員からフリーランスへ転身、そしてパートナーの復職のタイミングで仕事をセーブし育児に集中するなど様々な工夫をしてきたそうだ。その決断の背景とは…

「私は育休後に転職、というかフリーランスに転身という形をとりました。きっかけとしては、妻が2人目を妊娠しまして、子どもが2人いる生活を想像したんです。1人目の子育てを経て、仕事も頑張りつつ子育ても諦めないといったバランスは少しずつ取れるようになりました。

ですが、ここにもう1人何もできない赤ちゃんが現れる状況を想像すると、幸せだし嬉しいんだけれども、「いや…これは…」という不安もあって。

2人目が産まれる前のタイミングで、自分の仕事と家庭のバランスをより家庭にリソースを割くということを第一の目的におくことにしました。ただ、仕事の充実感は無くていいや…という風にはなかなか思えなくて、両手取りをしたかった。それらのバランスを考えて、フリーランスという形を選びました。」

withworkにも育休中の女性ユーザーさんが多く訪れる。父親側が仕事を変えるのではなく、母親である自分がセーブするという“致し方ない”選択肢を取る方が大半だ。そんな中、性別的役割にとらわれず、高橋さんはご自身もパートナーも、キャリアとライフをトレードオフにしない選択肢をしたのだ。


ー育休明けのキャリアに不安を抱える方へ


最後に、育休明けのキャリアとライフに悩んでいる人へ高橋さんが伝えたいこととは。

「育休中の転職活動はありですか?とwithworkにご相談にくる方がいるそうですね。この質問って、裏を返せば、育休中に転職活動をしちゃダメなんじゃないか…という不安があるってことですよね。会社に迷惑かけちゃうな…とか休んでいる間に転職活動かと白い目でみられるかな…と思われるその気持ちはすごく分かります。

ですが、転職活動をしてはいけない時期なんて、本来はないはず。どんな時でも、自分のキャリアのことを考えて、チャンスを探すというのは、普通のこと。育休を取得したり、子育てをしていることを『申し訳ないんですけど、子育てしたいのでお願いします』と会社に対してお伺いを立てるべきかと問われたら、そうじゃないですよね。

子どもが生まれたら、子育てに専念することは権利として認められています。それが育児休業です。『申し訳ないな…』『本当に転職活動していいのかな』『義理人情で復職するか…』といったことは、個人が過度に考えることではないのではないかと思います。」

育児が始まると、自分のことを後回しにしたり、様々な制限がある中で思い通りに物事が進まず、周囲に迷惑をかけてしまっているのでは、とついつい負い目を感じてしまう。高橋さんのメッセージが、そんなワーキングペアレンツの皆さんに届いてほしい。


キャリアを諦めずに家族との時間を…
と思ったら「withwork」へ


私たちワーキングペアレンツのためのハイクラス転職サービス「withwork」は、キャリアとライフをトレードオフにしたくないと願う皆さんへの転職支援を行っています。

子育て中でも家庭を犠牲にしない働き方をめざし、自分の理想のキャリアを描いていきたいユーザーさまに、withworkは徹底的に寄り添います。

\ ご相談はこちら! /

※本記事は3/14開催の「育休明けの不安を解消!先輩ママパパから学ぶ「育児 × キャリア」座談会」の内容を文字起こし、再編集しています。


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